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ID 728
Eprint ID
728
フルテキストURL
タイトル(別表記)
Meteorological Characteristics of Kasaoka Bay Polder and its Environmental Areas
著者
長堀 金造 岡山大学
三浦 健志 岡山大学
天谷 孝夫 岡山大学
抄録
本論文では,笠岡湾干拓地及び周辺地域の気象特性を,干拓地内の試験圃場,笠岡地域気象観測所,岡山地方気象台での測定値を基に論じるとともに,他のわが国の代表的干拓地近傍の気象官署である秋田(八郎潟),松江(中海),佐賀(有明湾)の気象資料との対比を通して,笠岡湾干拓地域の気象の特徴をより鮮明にした.その概要は以下の通りである.(1)笠岡湾干拓地のある岡山県南西部は,笠岡地域気象観測所での1980~1986年の7年間平均値で,年平均気温14.9℃,年降水量1,077mm,日照時間2,582時間,年平均風速1.0m/sと温暖で,少雨,年間を通して日照時間の多い典型的な瀬戸内型の気候を示している(Table2).(2)月平均気温から推定した10℃以上の期間は3月29日から11月21日の238日間,その間の積算温度は4,790℃,10℃以上の有効積算温度は2,410℃となった.(3)笠岡地域気象観測所での1980~1986年の月別の最多風向は,11-2月にかけては北西が,3~10月までは東北東ないし東が多い.風災害対策で重要である最大風速時の風向は,10~2月は西を中心として,3~9月には東西方向を中心とした風向は多いことが分った(Table3).(4)笠岡湾干拓地内の試験圃場で熱収支法により蒸発散量を測定し,ペンマン式による蒸発散位,大型蒸発計蒸発量,降水量,日照時間との関係を検討した.その結果,蒸発散量は,降雨の直後は蒸発散位に近い値を示し,晴天が続くと地表面の乾燥のため蒸発散位をはずれて低下した.月間値では,蒸発散量は蒸発散位,大型蒸発計蒸発量と11~3月には同等な値を示したが,4-10月にはかなり小さな値となった(Figs.3~4).(5〉わが国の代表的な干拓地近傍の気象官署(岡山,秋田,松江,佐賀)の30年間の測定値の比較では,岡山は気温は中庸,降水量は少なく,日照時間が年間を通して多いことが分かった(Fig.2,Table1),一年を通して日照時間が多く蒸発散位が大きいこと,降水量が少ないことから判断すれば,他地区と比較して,笠岡湾干拓地の気象特性がヘドロ土壌の乾燥収縮に最も有効に働くと考えられる.笠岡湾干拓地での農業を有利に展開するためには,以上のような気象特性を踏まえて営農にあたられんことを期待する.また,潜在的な乾燥能力が大きいことと土壌の除塩問題との関係は,圃場での水収支・土壌の物理性を踏まえて,今後農地工学的に詳細に検討しなければならない課題であろうと考えられる。
キーワード
笠岡湾干拓
気象特性
発行日
1987
出版物タイトル
岡山大学農学部学術報告
出版物タイトル(別表記)
Scientific Reports of the Faculty of Agriculture Okayama University
70巻
1号
出版者
岡山大学農学部
出版者(別表記)
Faculty of Agriculture, Okayama University
開始ページ
23
終了ページ
35
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029
資料タイプ
紀要論文
言語
Japanese
論文のバージョン
publisher
査読
無し
Eprints Journal Name
srfa