Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

ホウレンソウ葉カロテノイドがヒト白血病細胞株の分化に及ぼす影響

高木 茂明 岡山大学
樋詰 和久 岡山大学
木村 吉伸 岡山大学 Kaken ID publons researchmap
蓑和田 潤 林原(株)生物化学研究所藤崎細胞センター
松尾 良信 林原(株)生物化学研究所藤崎細胞センター
発行日
1992
抄録
ホウレンソウ緑葉カロテノイドのヒト骨髄性白血病細胞株に対する分化誘導活性を調べると同時に,その目的に合致する活性測定法の選択,及び細胞株の選択を行った. ホウレンソウ葉カロテンはML-1,ML-2及びHL-60細胞の分化誘導活性を示し,ルテイン,ビオラキサンチン,ネオキサンチンのキサントフィル類は活性を示さなかった.ホウレンソウ葉カロテンは細胞の生存率を80-85%に低下させるが,キサントフィルの毒性は極めて弱い.そのカロテンの分化誘導活性はレテインとの共集合体を作らせることによって増加しており,これはカロテンと細胞との相互作用の増加を示すものである.カロテノイドを用いた場合の分化誘導活性測定法としてはNBT還元法と間接蛍光抗体法が有用であった.試験細胞として上記3細胞株はいずれも有用であるが,なかでもHL-60はホウレンソウ葉カロテンによる分化誘導活性を最も強く受ける。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029