ホウレンソウ緑葉カロテノイドのヒト骨髄性白血病細胞株に対する分化誘導活性を調べると同時に,その目的に合致する活性測定法の選択,及び細胞株の選択を行った. ホウレンソウ葉カロテンはML-1,ML-2及びHL-60細胞の分化誘導活性を示し,ルテイン,ビオラキサンチン,ネオキサンチンのキサントフィル類は活性を示さなかった.ホウレンソウ葉カロテンは細胞の生存率を80-85%に低下させるが,キサントフィルの毒性は極めて弱い.そのカロテンの分化誘導活性はレテインとの共集合体を作らせることによって増加しており,これはカロテンと細胞との相互作用の増加を示すものである.カロテノイドを用いた場合の分化誘導活性測定法としてはNBT還元法と間接蛍光抗体法が有用であった.試験細胞として上記3細胞株はいずれも有用であるが,なかでもHL-60はホウレンソウ葉カロテンによる分化誘導活性を最も強く受ける。