ニンニクの茎頂培養によるウィルスフリー株の育成を試み,フリー株と罹病株の球の生産性の比較を行った.またフリー株の増殖を目的とした花床培養を試みた.生産性の比較:茎頂培養により育成したウィルスフリー株からの球根と,罹病株からの球根を,圃場に植え付け翌年6月に掘り上げて球の収量を比較した.フリー株の球重は罹病株に比較して1.4倍,球数は1.2倍となった.抽台茎上の花床に形成された珠芽も多かった.花床培養:花床を8分割して培養したところ,NAAを添加したMS基本培地に植え付けた区で正常な苗条が再生し,特に0.1mg・l-1NAA添加区で苗条の再生数が多く,それらをホルモン無添加培地に移植することにより球となった.1花床から約40球が再生された。