Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

老令肥育和牛の多排卵誘起に関する研究

湯原 正高 岡山大学
内海 恭三 岡山大学
抄録
微弱発情または無発情の老令肥育牛からの多排卵誘起を目的として本研究を行った. 老令および繁殖不全の理由で肥育した黒毛和種8頭を用い,供試時に微弱発情を示した2頭の牛を第1群とし,全く発情を示さない6頭を第2群とした. 第1群の牛には,性周期第16日にPMS4,000IUを注射し,19および20日目にEBをそれぞれ2mg注射し,発情の発現後12時間以内にHCG2,000MUを静脈内に注射した. 第2群の牛には任意の日にPMS4,000IUを注射し,2日後にPgF2a2mgを子宮内に注入し,さらに発情後HCG2,000MUを静脈内に注射した. ホルモン処理によって発情した牛は,6時間-8時間間隔で3回,和牛凍結精液を人工授精した. 採卵は排卵4日後に摘出された卵管・子宮の灌流によって行った. 第1群の牛では,2頭とも排卵(平均3.5個)が認められ,回収された卵子はすべて受精卵でそれぞれ1個と6個であった. 第2群の牛については,6頭中4頭に排卵が認められたが,受精卵が得られたのは2頭(5個と10個)だけで残りの2頭からは未受精卵のみが得られた. 第2群の平均排卵数は11個とかなり多かったが,このうち,平均2,5個(22.4%)が受精していた. 本研究から,老令肥育牛からも受精卯を採卵しうる可能性が示唆された. しかし,このような牛からの多排卵誘起,特に多数の受精卵を得ることはかなり困難であり,更なる研究を必要とする。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029