Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

作物の塩害に関す研究 第I報 その2 小麦の幼穗形成期に与えられた塩水がその後の生育並に稔実に及ぼす影響

小合 龍夫 岡山大学
笹井 一男 岡山大学
発行日
1955
抄録
小麦農林52号を供試し,生育時期を異にして各10日間づつ2.5%の塩水を与えた場合,特に幼穗形成期に於ける塩害経過後の生育並に稔実には次の如き2,3の特異現象があらわれた. 1.害微出現率では新葉にも未だ被害を認めるが,除塩後,葉位の進むに従つて葉位別の害徴増加率は他の時期の塩害区に比して著しく減少する. 2.塩水添加による害徴の増加量は全育相を通じて最大であるにも拘わらず,除塩後の増加が殆んどなく,塩害経過日数が極めて短い. 3.幼穗形成期及此の直前の時期に塩害を蒙つた場合には葉数が増す.4.1小穂平均粒数,1粒重,稔実指数は他の時期の塩害区に比して極めて良い。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029