Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

全脂大豆乳を強化した発酵乳の製造

宮本 拓 岡山大学
佐藤 順子 岡山大学
中江 利孝 岡山大学
抄録
全脂大豆乳を強化した発酵乳の製造に関する種々の影響要因を調べ,実用化可能なヨーグルト様食品を製造する目的で本研究を行ったところ,次のような結果を得た. 1) 豆乳・脱脂乳の混合培地では,S. lactis527の酸生成量が他菌に比べて全般的に低い値であった. 豆乳のみの培地では,使用した3種のスターターは酸の生成量が少なく,乳糖を添加することによって酸生成が促進された. 2) 10%豆乳での乳酸菌による酸生成は5%豆乳の場合よりまさっていた. 3) 豆乳培地にクエン酸を添加することによって,L. casei 6のジアセチル生成量が増加した. 4) 脱脂乳に豆乳を加えることで,ヨーグルト様食品のゲル強度が適切となり,多価不飽和脂肪酸を多く含むヨーグルト様食品が得られた. 5) 官能検査で最も良好な豆乳入りヨーグルトはスターターにL. bulgaricus B-1を用い,ショ糖を10%添加し,35℃で18時間培養したものであり,この豆乳入りヨーグルトに香料を加えるとかなり良好なヨーグルト様食品が得られた. 本実験より,豆乳100%のヨーグルト様,チーズ様などの発酵食品を有利に製造するには,豆乳中で顕著な酸生産性,芳香生産性を示す菌株を検索する必要性が示唆された。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029