Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

日本ウズラにおける体重の遺伝的パラメーターについて

佐藤 勝紀 岡山大学
安孫子 実 岡山大学
猪 貴義 岡山大学
抄録
本研究は日本ウズラの選抜育種の基礎資料を得る目的で,体重の遺伝的パラメーターについて解析した. 材料は当研究室で維持している閉鎖集団から作出した雄1雌3の組合せ15組から得られた309羽の雄ヒナと272羽の雌ヒナを用いた. 結果は要約すると以下の通りである. 1.体重は雄では2週令35.4g,4週令75.3g,6週令94.6g,8週令96.7gとなり,5週令まで急激な増加がみられた. 雌では2週令36.1g,4週令77.9g,6週令109.0g,8週令118.6g,10週令122.3g,12週令124.5gとなり、7週令まで急激な増加がみられた. 雄と雌の体重には3週令以降有意な差がみられ,その差は5週令以降顕著であった. 2.増体重は雄雌ともに2-3週令間が,増体率は0-1週令間が最も大きい値を示したが,以後いずれも週令の増加に伴い低下することが認められた. 3.体重の遺伝率(父母両成分)の値は孵化時を除けば雄では0.339から0.586,雌では0.355から0.661の範囲にあることが認められた. 体重の遺伝率は雄では5,6週令が,雌では6週令が他の週令に比べて低い傾向がみられた. 雄と雌の体重の遺伝率は類似した値を示した. 4.各週令体重間の表型相関の値は雄では0.351から0.753,雌では0.936の範囲に認められ,いずれも有意な正の値を示した. また遺伝相関の値は雄では0.335から0.917,雌では0.274から1.007の範囲にあることが認められた. 遺伝相関は雄では6週令と8週令体重の間に0.917,雌では8週令と10あるいは12週令体重の間に0.995,0.999の高い値が認められた. 表型相関ならびに遺伝相関の値は週令間が近くなる程高く,一方週令間が遠くなる程低くなることが認められた. 5.本実験から得られた体重の遺伝率および遺伝相関の値から推定して,日本ウズラにおける体重の選抜は個体選抜によって可能であり,雄では6週令で,雌では8週令で選抜を行なってもその選抜効果は大きいものと推察される。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029