Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

ラット胚の液体窒素ガスによる急速簡易凍結法に関する研究

藤井 好孝 岡山大学
内海 恭三 岡山大学
湯原 正高 岡山大学
抄録
哺乳動物胚凍結保存法を簡易化するため,家畜動物胚のモデルとしてラット胚を用い,液体窒素ガスによる簡易急速凍結を試みた. 凍結保護物質には比較的高濃度感作後でもin vitroにおけるラット胚の発育性に影饗を及ぼさなかったerythritolを選定した. 冷却方式は凍結開始後,胚の温度が20分で-20℃、25分で-60℃,30分で-180℃になるようにし,融解方式はストローを液体窒素から30℃温湯へ直接入れるようにした時に,その生存率が最も高かった. 10% erythritolによるラット胚の凍結法において,-20℃から-38℃までの冷却脱水温度域を持った冷却法による融解胚の生存率は50%以上であった. -43℃から-74℃までの冷却脱水温度域を持った冷却法による融解胚の生存率は40%以下で,しかも冷却脱水温度域の下降に供なって生存率も低下していった. そしてこの冷却脱水温度域と融解胚の生存率の関係から凍結の機序を検討した. erythritol を凍結保護物質としてラット胚を凍結した際に最も生存率の高かった冷却融解方式で他の凍結保護物質を用いてラット胚を凍結してみたが,inositol,ethylene glycol,glycerinでは融解胚の生存率は0%であった。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029