Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

リンパ腫症及びマレック病腫瘍細胞に対するテストステロンほか各種ステロイドホルモンの結果

近藤 康博 岡山大学 Kaken ID publons researchmap
塩田 雅彦 岡山大学
田辺 昭 岡山大学
鳥海 徹 岡山大学
佐藤 孝二 名古屋大学農学部
発行日
1980
抄録
ニワトリのマレック病およびリンパ腫症の腫瘍リンパ球増殖に及ぼすテストステロンほか各種ステロイドホルモンの効果ならびに3H-テストステロンに対するそれらの細胞の結合量を調べた. さらに,正常リンパ球におけるテストステロンの効果およびその結合量を調べた. テストステロンのほか,エストロジェンおよびグルココルチコイドにおいて,両腫瘍細胞あるいは一方の腫瘍細胞に対する増殖抑制効果が観察された. 正常リンパ球では,テストステロンは,Bリンパ球の生存率を減少させたが,Tリンパ球に対する効果はなかった. 3H-テストステロンに対する結合量は,腫瘍細胞では多量で,Bリンパ球でも比較的多かったが,Tリンパ球では少なかった. 以上の結果から,腫瘍細胞を含めたリンパ球におけるステロイドホルモンの効果は,多量のステロイドホルモンが細胞に結合することに基づくものと結論された. さらに,リンパ球の分化に関して,Tリンパ球は成熟のある時期にテストステロンに対する感受性を失なう一方,Bリンパ球は、その感受性を保持し続けることが示唆された。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029