Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

サイレージ調整における硝酸態窒素の変化に関する研究 (第2報)材料草の細切および破砕が硝酸態窒素の消失におよぼす影響

内田 仙二 岡山大学
内田 真人 岡山大学
堀米 隆男 岡山大学
発行日
1980
抄録
良質で硝酸態窒素消失の高いサイレージの調製法を知るための研究の一環として,サイレージ材料の物理的処理とサイレージの品質ならびに硝酸態窒素の消失との関係について調査した. すなわちイタリアンライグラスならびにソルゴーを材料とし,切断長を変え,または破砕して調製した場合について,そのサイレージの発酵的品質と硝酸態窒素消失との関係がどのようになるかを比較検討した. 本実験の結果の大要は次のようである. 1)イタリアンライグラスサイレージの硝酸態窒素の消失率はソルゴーサイレージのそれに比べ一般に高い値になることが認められた. 2)サイレージの発酵的品質は材料の切断長が細かい区のものの方が良質で,さらにこれを破砕したものが優れる傾向にあった. 3)サイレージの硝酸態窒素の消失率は切断長が細かい区,ならびにさらに破砕した区において,発酵的品質が良質にもかかわらず高くなることが認められた. 4)硝酸態窒素消失率とpH価との間に有意な負の相関が,そして消失率と品質評点ならびに乳酸含蚤量の間に有意な正の相関が両草種サイレージにおいて算出された. 5)本実験より,材料の物理的処理によって良質で硝酸態窒素消失の高いサイレージ調製の可能性が示された。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029