ダイズCIF,豆腐及び凍豆腐はin Vitroにおける消化速度は繊維状ダイズ蛋白と同じであることから,ダイズ蛋白には消化酵素の作用を受けにくいペプチド結合のあることがその原因と考えられる. ペプシンに続いて膵臓酵素を作用させた消化生成物のDowex 50×2を用いたクロマトグラフィーにおいてCIFと鶏肉及び卵白のクロマトグラムを比較すると,CIFはピークの数も少く各ピークの高さも低い. これは動物蛋白とダイズ蛋白の消化性の違いを表しているから,ダイズ蛋白の消化性の低さは蛋白の存在状態に関りのない本質的なものであると考えることが出来る. 異なる基質蛋白から得たピークの溶出位置には共通性があり,又同じ位置を占めるピークの構成アミノ酸は供試蛋白が異なっても似ていることからクロマトグラムを比較することによって食品蛋白の消化性の良否を判定することも可能である。