土壌中に過剰に存在するアルミニウム,マンガン,ニッケル,銅およびカドミウムが水稲および小麦の生育におよぼす障害について培地に添加した可溶性ケイ酸の吸収が金属過剰害を軽減するか否かについて検討し,つぎのような知見が得られた. 1)水稲のニッケル過剰害軽減にケイ酸の効果が認められた. 2)ケイ酸は水稲の茎葉から穂へのマンガンの移行を抑制した. 3)水稲のアルミニウム過剰呼吸によって,茎葉中のケイ酸および鉄含有率を著しく増加させた. 4)小麦のアルミニウム過剰害に対しケイ酸は地上部のアルミニウム含有率を減少させ収量を増加させた。