Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

Rhodotorula minutaの生育およびカロチノイド生成におよぼす光の影響

多田 幹郎 岡山大学
白石 正英 岡山大学
発行日
1978
抄録
Rh.minutaの生育とカロチノイド生成への光照射の影響を調べる目的で,照射光の光強度および光質を異にする条件下で菌体を培養して,増殖,炭素源及び窒素源の消費,酸素吸収量ならびにカロチノイド含有量を調べた. その結果は次のようである. 1)菌体の増殖は5000lux以下の光強度ではほとんど影響を受けないが,8000luxの照射によって幾分阻害が認められた. 2)Rh.minutaのカロチノイド生成は光照射によって著しく影響されるにもかかわらず,グルコース,L-バリンの消費には殆ど変化が認められなかった. 3)菌体のカロチノイド含有量は照射された光の全エネルギーとは関係なく,照射光強度にのみ支配されているように考えられた. 4)Rh.minutaのカロチノイド生成は400nm~500nmの波長帯を有する光でのみ著しく促進された. この結果から,菌体内に存在するある種の黄色色素が光生物学的感応に関与する光受容体としての機能を有しているものと推論される。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029