Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

ダイズ繊維たんぱく質のペプシン及び膵臓酵素消化による消化生成物の分別及びアミノ酸組成分析

高木 茂明 岡山大学
発行日
1977
抄録
ダイズ繊維たんぱくにペプシン及び膵臓酵素を作用させたときに生ずる生成物のうちTCA可溶性のものをイオン交換クロマトグラフィーによって9画分に分別し,各アミノ酸組成と各画分の消化における経時的変化を検討した. その結果Asp,Ala,Leu,Phe,Lys,Argはかなり消化されて利用されやすい状態にあるが,いっぽうMet,Cys,Thr,Tyr,Val,Ileはクロマトグラフィーにおけるピークとして現われにくいことから,消化生成物中では比較的大きなペプチドの残基として組込まれていると考えることが出来る. このため消化吸収に際して,これらアミノ酸の利用率は低いことになり,このことがダイズたんぱく質の低栄養価の1因になると考えられる。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029