Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

サイレージの化学成分と品質に関する研究 (第10報)サイレージの品質と消化率との関係

内田 仙二 岡山大学
須藤 浩 岡山大学
発行日
1973
抄録
サイレージの発酵的品質と消化率との関係を知る目的で,同一材料から品質の異なる5区のサイレージを調製し,それについて,in vivo および in vitro 消化試験を実施し,品質と消化率との関係を調査した. 実験結果の要約は次のようである. 1)でき上がりサイレージのFLIEG法による評点は,それぞれ100点(優),89点(優),51点(可),42点(可)および18点(下)であった. 2)サイレージの評点と,乾物,有機物,粗タンパク質,粗繊維および純タンパク質の消化率との間に,統計的な有意なプラスの相関が認められた. 3)サイレージの評点と乾物中のTDNとの間に,プラスの相関(r-0.992,p<0.01)が認められた. 4)各埋蔵材料のin vitro DMDと,でき上がりサイレージのin vitro DMDとの間に,有意な相関は認められなかった. サイレージのin vitro DMDとin vivo DMDの値は,劣質サイレージを除きよく一致し,両法で得たDMD間に有意なプラスの相関が認められた. 本実験の結果は,前報までの結果と同様,サイレージ醗酵の良否が,それの飼料価値を左右する因子の一つであることを示唆している。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029