Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

トラクタのスラローム旋回におけるオペレータの操舵仕事の評価

遠藤 俊三 岡山大学
西村 功 岡山大学
笹尾 彰 岡山大学
発行日
1972
抄録
トラクタを操舵するオペレータの操舵仕事の大きさを知るために,トラクタに操舵力角計を装着し,同時に操舵中におけるエネルギ消費量を知るために,オペレータの呼気を採取し,また心拍数,呼吸数を遠隔記録した. 1.オペレータの心拍数,呼吸数は操舵の開始とともに急に増加するが,その後の増加割合は少なくなる. 操舵仕事の強さをあらわすエネルギ代謝率(R.M.R)はトラクタの速度が大きくなると増加し,また心拍数,呼吸数の増加割合とも比例関係にある. 2.トラクタを操舵するに要するオペレータの仕事量と,オペレータの呼吸による消費エネルギとの比をオペレータの操舵仕事の効率とすると,この効率は操舵仕事の強さ(R.M.R)とほぼ比例関係にある. 3.トラクタの操舵仕事の特性を知る方法として次のことがあげられた. 1)変動係数,相関係数,標準偏差を求めて,操舵の方向による「ばらつき」を表現した. 2)操舵馬力の自己相関係数を求めて,スラローム旋回―ピッチ間の時間的変化を図示すると,その相関度の大きさと,時間的変化によって,トラクタの速度,オペレータの操舵の差異を知ることが可能である. 3)操舵トルク,操舵角変動を調和解析し,フーリエ係数を求めて,その振巾,位相角によって,操舵特性を表現できる。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029