Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

散水支管設計のための新しいF値

村上 康蔵 岡山大学
発行日
1971
抄録
多数の分岐管を有する散水支管の摩擦損失は,普通の管路のように全流盤が末端まで流れるとした時の摩擦損失をまず計算しこれに係数Fを乗じて求める簡単な近似法がある. 本報では,散水支管の損失水頭計算法を比較考察し,実際の支管設計を考慮して近似法にもとづく支管の両端分岐区間のみの摩擦損失が得られる新しいF値の計算式を誘導した. その結果を要約すれば, 1)散水支管における両端分岐区間のみの摩擦損失(流れの模様をFig.1に示す)を計算する係数Fは(3)式で与えられる. 2)(3)式のFの値をm=1.75,1.8,1.9および2の場合について計算し,Table 1および2に示した. 3)他の任意のmの値についてはN=5までは(9)式,N=6以上については(12)の近似式によればよく,(3)式との差も2%以下と考えられる. 4)新しいF値による方法は,近似法としての簡便さと改良法との関連づけの容易さを有し,より広範な分岐管路の設計に利用できる. 5)支管設計のための計算図表はライザーの配置,適用される摩擦損失水頭公式,支管の摩擦係数を考慮して使用されねばならない。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029