1.厚さ0.2mmのパンライト(ポリカーバメート・ロジン)を張った80×80x120cm(0.768m3)の同化室を作った. 異常な高温を防ぐために,クレモナ寒冷紗を覆った. ボンベ入りのC02を約1,800または1,200pp注入し,その濃度が600ppmぐらい低下するたび,再び注入することをくりかえした. 植付け後3年目の鉾植えブドウについて9-15時の間に葉片打抜き法によって光合成能(mg/m2/h)を測定した. 2.グロー・コールマンについての実験は1968年6月7,1および12目におこなった. 高温C02濃度その他の理由により対照区の光合成能比数は戸外区(100)の13になった. 戸外区:対照区:1,200ppm区:1,800ppm区の光合成能はそれぞれ370.4mg(800):46.3(100):463.0(1,000):551.0(1,190)であった. マスカット・オブ・アレキサンドリアについて,6月17および19日おこなった実験によれば,戸外区:対照区:1,200ppm区:1,800ppm区の光合成能はそれぞれ395.7mg(295)1134,2(100):1,494.2(1,113):1,133.9(845)であった. 3.同化室内に徴風程度と推定されるように空気を吹き込んだ同化室内のマスカット・オブ・アレキサンドリアの光合成能は,ほとんど無風の同化室でのそれより44%増大した. 平均室温が45.4℃という高温の場合,対照区:1,800~2,000ppm区の光合成能はそれぞれ(-)349.4mg:268.5mgというように極めて対照的であった. この場合,戸外区(平均気温:33.2℃)と上記1,800~1,200ppm区の光合成能はそれぞれ141.2mg(100)および268.5mg(190)であった。