Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

ハスモンヨトウProdenia litura FABRICIUSのための全合成飼料の改良

佃 律子 岡山大学
清久 正夫 岡山大学
発行日
1967
抄録
これまでに全合成飼料で,ハスモンヨトウProdenia litura FABRICIUSの幼虫を容易に飼育し,それから得た成虫に孵化力のある卵を産出させることに成功をしたが,それらの成虫の中に往々翅が完全に伸びないものが混在し,またそれらの産んだ卵の孵化率が一般に低かつたので,正常成虫を多数得ること,それの産卵数を多くすること,卵の孵化率をできるだけ高めることを目標として飼料を更に改良し各種の飼育実験を試みた.その飼育成績は前報(1966b)13)よりはるかに優れているとは云えないが,特に明らかにされた点は以下の通りである.1.正常な成虫と,それから孵化力のある卵を得るためには飼育中に大豆油を添加することが絶対に必要であり,その添加適量は今回用いた飼料1単位量に対して0.15cc内外であることがわかった.2.基礎飼料成分中の粉末〓紙の量は過少の時も過多の時もともに飼育成績が劣る.その適量は今回の基礎飼料1単位量に対して3gr内外である.3.これまで飼料の蛋白質源として牛乳カゼインを用いたが今回大豆カゼインと代えた.その結果,特に正常な成虫を得るという点において,この植物性蛋白が優っていることがわかった。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029