Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

キャンベル・アーリーの早期落葉に関する研究 (第3報)土壤管理の効果について(2)

本多 昇 岡山大学
岡崎 光良 岡山大学
上田 浩次 岡山大学
発行日
1965
抄録
1.前報4)の葡萄園で清耕区と敷藁区とを設けたところ8月31日現在の累加落葉率はおのおの73.1%(100)および65.3%(89)で,敷藁第1年目の効果としては累加落葉率を11%減少させたことになる.2.清耕区の微細根(<2mm)の垂直分布(%)は0~10cm:10~20cm:20~30cm:30~40cmの各土層でおのおの27.2%:25.9:19.0:27.4であるが,敷藁区の同様分布は50.0%:23.2:16.2:10.1であった.3.7月10日から9月14日まで19回測定された地温(-10cm)の平均は清耕区では28.13℃,敷藁区では26.53℃で後者において1.60℃低く,また27℃以上の場合は19回中4回にすぎなかった.4.同上の期間およびその前後にわたって土壌水分含量(-10cm)を調査したところ,7月下旬から8月下旬までは清耕区よりも敷藁区の方が水分が少ない傾向が確認されたが,7月17日以後および8月31日以後は敷藁区の方が土壌水分含量が数%ずつ多かった.5.9月1,7および25日の3回T. T. C. (Triphenyl Tetrazolium Chloride)法によって微細根の活力を調査したところ,敷藁区の方が各回とも清耕区より活力が大であり,しかも地温の高いときほどその差が顕著であった。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029