Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

不飽和脂肪酸乳化時照射物の自働酸化について

篠崎 侑一 岡山大学
大原 幸子 岡山大学
発行日
1962
抄録
(1)リノール酸,リノレニン酸,リチノール酸,およびリノール酸,ひまし油混合脂肪酸のエチルエステルについて乳化状態で3000γのX線照射を行ない非照射の対照物と空気中における自仂酸化による経日変化を比較検討した.(2)性状の経日変化の傾向は何れの場合も類型であつて変化の程度は何れの場合も照射によつて促進された.即ち経日と共にS. V. は増加してI. V. は減少する.過酸化物は増すが必ず最高値を示して以後次第に減少する.その最高値附近以後は粘度(重合度)が急増する.(3)遊離酸はエステルより照射の影響をうけ易い.(4)不飽和度の高いもの程過酸化物,水酸化物の生成量が多い.(5)二重結合が共役型であるか非共役型であるかによつて照射の影響のうけ方が異り調製上トランス化を伴い易い.共役化不飽和脂肪酸の照射時の挙動についてはなお検討すべき点が多い。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029