Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

Iris類のモグリバエ2種について 双翅目農園芸害虫の分類及び生活史の研究 第2報

小泉 憲治 岡山大学
発行日
1953
抄録
わが国でIris類の葉に潜葉加害するモグリバエに関しては,さきに駒村氏(1933)がアヤメノハモグリバイAnthomyia sp.として簡単に形態及び習性を記し,松岡氏(1952)がこれを引用しているのが見られるが,其後これらに関して検討したものを見ない.筆者は昭和24年,山形県米沢市において同市内各所のIris類が2種のモグリバェ科(Agromyzidae)のものによつて潜葉加害されているのを観察し,これ等を調査したところ,その葉尖部に潜葉するものは本邦未記録のDizyomyza iraeos R.D.であり,他の根際部に潜葉するものは同じく Dizygomyza属の新しい種類であることが分つた.本報にはこれら2種の形態の記載及び加害習性の概要を報ずる.御指導並びに本文の閲読を賜つた春川忠吉教授及び寄生蜂類同定の労をとられた九州大学安松京三博士に厚く御礼申し述べる。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029