Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

殺虫剤で処理して生き残った昆虫の繁殖能力の変化

清久 正夫 岡山大学
玉木 元 田辺製薬株式会社大阪研究所
発行日
1959
抄録
殺虫剤で処理して生き残つた昆虫の其の後の繁殖能力,特に1雌の産卵数,性比,卵より成虫までの間の生育率及び体重がどの様に変動するかをアズキゾウムシCallosobruchus chinensisに対するエンドリン乳剤の効果によつて実験的に確かめた. (1)処理された成虫の1雌の産卵数は対照に比して1般に少ない.然し処理された雄を正常の雌に配した場合では逆に多い. (2)処理された雌雄から生まれたF1の卵から成虫までの間の生育率は対照と余り差がないが正常な雌に処理された雄を配した場合のそれは低い. (3)上記F1の性比は0.45以下であつて雄の割合が多い. (4)その1雌当り産卵数は25%増加する.又その体重も重い. (5)F1代に於いて産卵数が多く,性比が雄の割合が多く,成虫の体重が重いという状態はF2以下では消失する。
キーワード
殺虫剤
繁殖能力
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029