Proceedings of Okayama Association for Laboratory Animal Science
Published by Okayama Association for Laboratory Animal Science

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糖尿病モデルMeg1/Grb10遺伝子導入マウスの血漿成分について

山本 美江 岡山大学大学院自然科学研究科
鈴木 治 国立感染症研究所獣医科学部
山田‐内尾 こずえ 国立感染症研究所獣医科学部
石野‐金児 智子 東海大学健康科学部
松田 潤一郎 独立行政法人医薬基盤研究所
佐藤 勝紀 岡山大学大学院自然科学研究科
発行日
2005-12
抄録
2型糖尿病は肥満から糖尿病を発症すると考えられており、Meg1マウスは通常飼料では肥満を伴わないが、高カロリー飼料を摂取することによりグルコース代謝の異常によって糖尿病を発症する。Meg1/Grb10遺伝子導入マウス(Meg1マウス)はインスリンのシグナル伝達阻害によるインスリン抵抗性を呈することから2型糖尿病モデルと考えられている。本研究は、糖尿病発症機序の解明を目的として、Meg1/Grb10遺伝子導入マウス(Meg1マウス、TG+)とコントロールのマウス(Meg1マウスの親系統であるC57BL/6N;TG-)の雄を用いて高カロリー・高脂肪飼料を給餌した場合のグルコース代謝におけるシグナル伝達阻害の影響について血漿成分の面から検討した。その結果、血漿中のIGF、BUN値はいずれもTG+がTG-より有意に低く、一方、中性脂肪量はTG+ がTG-より有意に高かった。Meglマウスで認められたインスリン値の増加とIGF-1値の減少はインスリン伝達経路においてGrb10がインスリン受容体への結合を阻害していることの証明といえる。Meg1マウスにおける高インスリン血症はインスリン抵抗性の結果と考えられる。
備考
寄稿 (Contributions)