Proceedings of Okayama Association for Laboratory Animal Science
Published by Okayama Association for Laboratory Animal Science

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新たな実験手技・ラット頚部髄腔内投与法の有用性の評価―麻酔増強作用による行動薬理学的試験での検討―

村中 清志 株式会社アニマルケア
佐加良 英治 九州歯科大学動物実験施設
倉林 譲 岡山大学医学部附属動物実験施設
発行日
2002-09
抄録
ラットの硬・クモ膜下腔内への投与方法としては、従来からカテーテル設置による大槽内投与法が汎用されている。しかし、これらの大槽内投与法は、投与前に手術などの事前処置や回復の時間が必要なことなどの制約があるため,速やかに投与を開始することや短時間に多数のラットへ投与することなどが困難である。そこで、我々はラットの後頭部から経皮的に頚部髄腔内へ穿針する投与法である頚部髄腔内投与法を開発した。今回は、その有用性を麻酔薬や催眠導入剤のスクリーニングに用いられる麻酔増強作用により検討を行った。麻酔増強作用は塩酸ケタミンならびにペントバルビタールナトリウムを用いて、チオペンタールナトリウム麻酔増強作用により行った。その結果、頚部髄腔内投与法は大槽内投与法に比べ、ストレス無く投与できること。すでに汎用されている大槽内投与法投と同様の薬理学的評価が得られた事などから、頚部髄腔内投与法は大槽内投与法に代わるラットの硬・クモ膜下腔内への投与方法としての可能性が示唆された。
備考
寄稿 (Contributions)