小山(2007)は、「ある数学的対象についての理解がある程度なされれば、それを他の数学的対象と関連づけて理解し、次いでその関係性の一般性について理解していく」と述べ、「数学的対象―対象聞の関係―関係の一般性」の順に、児童が「直観的思考、反省的思考、分析的思考」を繰り返し働かせることで、数学的理解の水準が高まることを指摘している。そして、この2軸過程モデル(Two-axes Process Model)に則って、それぞれの数学的理解の対象となる内容を明確にした、の再構成を提案している。
筆者はその小山の提案に則って、学習指導要領や全国学力・学習状況調査結果、算数科教科書などを考慮し、5年生「図形の面積j の指導計画を再構成し、指導計画試案を提案する。
その指導計画試案を基に、筆者が授業実践し、授業過程モデル(山野2016)へのマッピングによる児童の思考の様相の観察とパフォーマンス評価によって、実践の評価を行い、指導計画試案を考察した。
その結果、2軸過程モデルをもとにした指導計画の試案を作成することによって、単元を通じて、1時1時間の目的が明確になり、綬業設計(Plan)がより明確で容易となることがわかった。また、授業過程モデルのマッピングを集めることで、単元を通しての児童の数学的理解水準の高まりを、確認
した。
つまり、2軸過程モデルをもとにした指導計画の試案を作成することによって、マッピング式授業過程モデルは、規範的特性・記述的特性がさらに向上した、と筆者は考える。