保崎 泰弘
岡山大学医学部・歯学部附属病院三朝医療センター 内科
岩垣 尚史
岡山大学医学部・歯学部附属病院三朝医療センター 内科
永田 拓也
岡山大学医学部・学部附属病院三朝医療センター 内科
藤井 誠
岡山大学医学部・歯学部附属病院三朝医療センター 内科
横井 正
岡山大学医学部・歯学部附属病院三朝医療センター リハビリテーション科
浜田 全紀
岡山大学医学部・歯学部附属病院三朝医療センター 内科
谷崎 勝朗
岡山大学医学部・歯学部附属病院三朝医療センター 内科
高齢者喘息の病態的特徴を臨床的に観察した。その結果は以下のごとくであった。
1.血清IgE値や抗原に対するIgE抗体の陽性率は一般的に低いが,しかしアレルギー疾患の家族歴を有する症例の頻度は高く,アトピー性の素因を有する症例の頻度がかなり高いこと,そして,このような症例ではIgE系反応の関与が示唆された。
2.気道過敏性は加齢とともに低下する傾向が見られた。
3.換気機能,ガス交換能は加齢とともに低下し,特に70才以上
の症例では若青年者喘息と比べ有意の低下が見られた。
4.肺容積は,加齢とともに増大し,70才以上の症例では有意の増大傾向が見られた。また,この肺容積の増大は,HRCT上の-950HU以下の肺% UIAと有意の相関が見られ,肺の過膨張の状態が存在することが示唆された。
lgE系反応 (IgE-mediated allergy)
気道過敏性 (bronchial hyperresponsiveness)
換気機能 (ventilatory function)
ガス交換能 (gas exchange)
気腫化傾向 (emphysematous changes)