高齢者喘息の病態に対する加齢および喫煙の影響について,若干の検討を加えた。高齢者喘息,特に70才以上の喘息では,HRCT上の1950HU以下の肺のlow attenuation area(LAA)は,苦青年者喘息と比べ有意に増加していた.また,同時にこの年齢層では残気量の有意の増加,拡散能の有意の低下が見られた.% LAAと% 1秒量との間には,喘息の非喫煙例,喫煙例,肺気腫(全例喫煙例),いずれにおいても相関が見られた。しかし,% LAAと拡散能との間には,喘息の喫煙例および肺気腫では相関が見られたが,非喫煙例では有意の相関は見られなかった。これは,喫煙の拡散能におよぽす影響が大きいことを示唆しているものと考えられた。
高齢者喘息 (asthma in the elderly)
気腫化傾向 (emphysematous changes)
HRCT
残気量 (residual volume)
DLco