山本 良一
岡山大学第2内科
越智 浩二
岡山大学中央検査部
松村 直樹
岡山大学中央検査部
田中 淳太郎
岡山大学中央検査部
加藤 匡宏
岡山大学中央検査部
Chowdhury Riaz
岡山大学臨床検査医学
原田 英雄
岡山大学臨床検査医学
蓮岡 英明
勝山病院
横田 聡
岡山大学三朝分院
谷崎 勝朗
岡山大学三朝分院
膵癌の早期診断を行うために,最近の進歩の著しい遺伝子診断を用いて,膵液中のK-ras遺伝子の点突然変異の検討がなされている。われわれは膵液の細胞診は陰性であるが,K-ras遺伝子の点突然変異を認め,膵全体に多発する膵嚢胞の1例を経験した。本例は悪性であるとの確診が得られないことや切除するとなれば膵全摘となることなどのために,経過観察を行っているが,18カ月後の現在,嚢胞の増大など認めていない。膵癌の遺伝子診断の文献的考察を含め,報告する。
膵嚢胞 (pancreatic cyst)
膵液 (pancreatic juice)
K-ras遺伝子 (K-ras oncogene)
点突然変異 (point mutation)
細胞診 (cytology)