重症難治性喘息におけるステロイド剤の副腎皮質機能,免疫能に及ぼす影響を調べるため,喘息患者65例を過去3年間のステロイド剤使用状況により,Ⅰ群:依存性症例,Ⅱ群:時に使用する症例,Ⅲ群:非使用例の3群に分け,血清コルチゾール値,末梢血リンパ球数及び血清免疫グロブリンについて検討した。結果は,血清コルチゾール値:Ⅰ群4.0μg/dℓ,Ⅲ群11.6μg/dℓ,末梢血リンパ球数:Ⅰ群1,659/mm(3)Ⅲ群2,150/mm(3),I
gG:Ⅰ群1,062mg/dℓ,Ⅲ群1.501mg/dℓ,IgA:Ⅰ群218mg/dℓ,Ⅲ群279mg/dℓ,IgM:Ⅰ群148mg/dℓ,Ⅲ群227mg/dℓとⅠ群はⅢ群に比べ有意に低い平均値を示しステロイド剤の副腎皮質機能,免疫能への抑制作用が窺われた。また末梢血リンパ球数の減少は,高齢者のステロイド依存性例に顕著であった。
重症難治性喘息 (Intractable asthma)
血清コルチゾール (Serum cortisol)
末梢血リンパ球 (Peripheral lymphocytes)
血清免疫グロブリン (Serum immunoglobuiin)