モルモット顎下腺切片のcyclic AMP含量に及ぼすhistamineとその類似化合物の効果,およびこの効果に対するhistamine拮抗薬ならびにhistamine代謝酵素阻害薬の影響をしらべ,次の成績を得た.1) 被検のhistamine受容体活性薬はcyclic AMPレベルを用量依存的に上昇させた.histamineと4-methylhistamineのED(50)値はそれぞれ約1.3×10(-5)Mおよび2.2×10(-5)Mであった.4-methylhistamineの最大効果はhistamineのそれを上回った.2) 2-(2-pyridyl)ethylamineはhistamineや4-methylhistamineと比較して,効果がはるかに劣っていた.3) metiamideはhistamineおよび4-methylhistamineによるcyclic AMPレベルの上昇を著しく抑制した.しかし, mepyramineは無効であった.4) aminoguanidineとquinacrineの併用は, histamineのcyclic AMPレベル上昇効果に対して影響を及ぼさなかった.以上の成績は,モルモット顎下腺には, cyclic AMP増加を媒介するH(2)型のhistamine受容体が存在することを示唆する.