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脳のトランスアミナーゼ 第1編 タイワンザル脳およびヒト脳におけるトランスアミナーゼ活性について

小野 昌也 岡山大学医学部神経精神医学教室
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抄録
タイワンザル脳,事故死ヒト脳の大脳皮質,大脳白質および小脳皮質,さらに高度の脳萎縮を伴い老人性痴呆にて死亡したヒト脳の大脳皮質を用い, 11種のα-アミノ酸, 3種のω-アミノ酸, 3種のヂアミノ酸,システイン酸,タウリンについて,組織のトランスアミナーゼ活性を測定した. 1. タイワンザル脳では,大脳皮質においてアラニンとバリンの活性が他部より低く,γ-アミノ酪酸とγ-アミノ-β-オキシ酪酸が高い. 2. 健常人脳では,アスパラギン酸,セリンが大脳皮質に,ヒスチジン,ロイシン,バリンが小脳皮質にて他部より高く,アラニン,フエニールアラニン,システイン酸は大脳白質において低い活性を示した. 3. タイワンザルおよび健常ヒト脳の大脳皮質では,いずれもアスパラギン酸,グリシン,フエニールアラニン,オルニチン,システイン酸の高い活性,およびアラニンの低い活性の点で他の下等動物脳と異なる. 4. 健常ヒト大脳皮質は,バリン,ロイシンおよび3種のω-アミノ酸の低い活性を以つてサルおよび下等動物と異なる. 5. 萎縮したヒト大脳皮質は,アラニン,ロイシン,バリン,γ-アミノ-β-オキシ酪酸の活性が健常ヒト大脳皮質より高く,むしろ下等動物のそれに近い.ヒスチジン,プロリン,オルニチンのグルタミン酸生成の著しい増加は健常ヒト脳および下等動物脳のいずれとも異なるが,ヒスチジンとプロリンはトランスアミナーゼ活性増加のみによるものかどうか疑わしい.
ISSN
0030-1558
NCID
AN00032489