Journal of Okayama Medical Association
Published by Okayama Medical Association

<Availability>
Full-text articles are available 3 years after publication.

テロメラーゼ依存性腫瘍融解ウイルス療法の骨・軟部肉腫に対する前臨床的検討

佐々木 剛 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 整形外科学
田澤 大 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学
長谷井 嬢 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 整形外科学
国定 俊之 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 整形外科学
吉田 晶 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 整形外科学
橋本 悠里 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学
矢野 修也 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学
吉田 亮介 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学
宇野 太 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学
香川 俊輔 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学
森本 裕樹 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 整形外科学
浦田 泰生 オンコリスバイオファーマ
藤原 俊義 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学
尾﨑 敏文 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 整形外科学
Thumnail 124_105.pdf 3.25 MB
抄録
骨・軟部肉腫は, 一部に治療抵抗性で予後の悪い症例が存在するため, 新たな治療法の確立が重要な課題である. 我々は, 5型アデノウイルスを基本骨格として, テロメラーゼ活性に依存して増殖する腫瘍融解ウイルス(OBP-301)や, coxsackie and adenovirus receptor(CAR)陰性の腫瘍細胞に感染するファイバー改変型ウイルス(OBP-405)を用い, 骨・軟部肉腫細胞に対する抗腫瘍効果を検討した.   14種類の骨・軟部肉腫細胞株に対してOBP-301の細胞障害活性を検討し, 12種類の細胞株でOBP-301に感受性を認めた. また, OBP-301の細胞障害活性はCARの発現と相関していた. さらに, テロメラーゼ活性の低い細胞に対しても, 5型アデノウイルスの複製に必須のE1Aによりテロメラーゼ活性の増強効果がおこり, 強い抗腫瘍活性を示すことを明らかにした. 次に, 骨肉腫脛骨同所性移植動物モデルを作成しOBP-301を投与したところ, OBP-301投与群では対象群と比べて有意に腫瘍増殖を抑制した. 最後に, OBP-301に感受性を認めなかったCAR陰性細胞株に対してOBP-405を用いて検討し, OBP-405が有効に作用することを確認した.   OBP-301やOBP-405を用いたウイルス療法は, 骨・軟部肉腫に対する新たな治療法となる可能性がある. 
キーワード
アデノウイルス
肉腫
ALT
ヒトテロメラーゼ逆転写酵素
備考
平成23年度岡山医学会賞(山田賞)受賞論文 (The 2011 Okayama Medical Association Award)
ISSN
0030-1558
NCID
AN00032489
DOI