Journal of Okayama Medical Association
Published by Okayama Medical Association

<Availability>
Full-text articles are available 3 years after publication.

テロメラーゼ依存的腫瘍融解アデノウイルス製剤による 放射線感受性増強作用

黒田 新士 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学
藤原 俊哉 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学
白川 靖博 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学
山崎 泰源 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学
矢野 修也 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学
宇野 太 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学
田澤 大 岡山大学病院 遺伝子・細胞治療センター ORCID Kaken ID publons
橋本 悠里 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学
渡辺 雄一 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学
野間 和広 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学
浦田 泰生 オンコリスバイオファーマ株式会社
香川 俊輔 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学 ORCID Kaken ID
藤原 俊義 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学 ORCID Kaken ID
Thumnail 123_103.pdf 4.36 MB
抄録
DNA修復機能阻害は放射線感受性を増強させるため,DNA修復に関与する因子の阻害剤は放射線増感剤となり得る.我々の開発したテロメラーゼ依存的腫瘍融解アデノウイルス製剤OBP-301(テロメライシン)は,アデノウイルスE1B55kDaタンパクを介して細胞のDNA修復に重要な役割を果たすMRN複合体(Mre11,Rad50,NBS1)を分解する機能を有する.このMRN複合体の分解によりATM(ataxia-telangiectasia mutated)の活性化が抑制され結果的にDNA修復機構が阻害される.我々はOBP-301と放射線との併用が強力な相乗効果を生み出すことをマウスの皮下腫瘍モデルおよび食道癌同所性モデルにおいて証明した.これらの結果はOBP-301が将来有望な放射線増感剤となり得ることだけでなく,E1B55kDaタンパクを産生する腫瘍融解アデノウイルス製剤と放射線との併用が悪性腫瘍に対する有力な治療戦略となり得ることを示す.
キーワード
アデノウイルス
E1B55kDa
MRN複合体
DNA修復
放射線感受性
備考
平成22年度岡山医学会賞(林原賞) (The 2010 Okayama Medical Association Award)
ISSN
0030-1558
NCID
AN00032489
DOI