エールリッヒ腹水癌細胞とそのアドリアマイシン耐性細胞において蛍光pH指示薬2'、7'-bis-(2-carboxyethyl) carboxyfluorescein] (BCECF) の蛍光量をフローサイトメトリーで測定することによって細胞内pHの検量曲線を作成することができた。このことより、これらの細胞においてBCECFの蛍光量で細胞内pHの変化を簡易に比較できることを示唆した。さらに、温熱、Na(+)/H(+) exchanger の阻害例であるアミロライド[3,5-diamino-6-chloro-N-(diaminomethylene) pyrazinecarboxamide]、およびアミロライド誘導隊MH-12-43[N-amidino-3-amino-6-chloro-5-(N-ethyliso-propylamino) pyrazinecarboxyamide] の細胞内pHへの影響をエールリッヒ腹水癌細胞で観察した。37℃では、0.5mMアミロライド、0.05mM MH-12-43により細胞内pHは減少し、42℃処理によりさらに減少した。42℃において、0.05mM MH-12-43による細胞内pHの減少は、0.5mMアミロライドによる減少より大きかった。
BCECF
細胞内pH (Intracellular pH)
フローサイトメトリー (Flow Cytometry)
アミロライド (Amiloride)
MH-12-43