シラバスは、その内容も含めて、まだ教官にも、学生にもなじみのない言葉である。著者らは、1994年、初めてのシラバス(講義要覧)を刊行した。このシラバスの中では、1人もしくは数人の教官によって、1教科・1学期分の講義の概要が各1ページの中に記載され、その枠組みは、基本的事項以外に、抗議の目標、授業計画、授業計画、教科書、参考書、授業の進め方、評価の方法、教官のメッセージから成るものであった。このシラバス作成に参加した専任教官45人及び非常勤教官107人、計153人に対し、調査表によってシラバス作成に関する意見を求めた結果、117人(77.0%)の教官が解答を寄せた。その結果は次のようなものであった。1.今回の作成計画以前にシラバスについて認識があった者は44.5%であった。しかし、シラバスの今後の発行に関しては94.9%の者が賛成であった。今回の枠組みについてはほとんどの者が肯定的であった。2.学生による授業評価については、約半数(52.7%)が賛成であるが、時期尚早とする者が41.8%いた。