当医療技術短期大学部(以下医療短大と略す)の老人看護学実習は,特別養護老人ホーム(以下老人ホームと略す)と老人病棟のどちらかの施設で2週間の実習を行っている。今回は老人看護学実習での学生の学びの内容を把握する目的で,平成10年度のカンファレンスノートの記録を分析した。対象者は医療短大3年生75名のうちカンファレンスの記録が残っていた47名を分析の対象にした。内容分析の手法を用いて研究者2人で分析を行った。その結果,3つのカテゴリー,8つのサブカテゴリーに分類され,以下の2点が示唆
された。①実習の1週目では学生は,実習形態の違いやコミュニケーションがとれないことに戸惑っているが,2週目には日常生活の援助を通して相手を理解しようと努力していた。②老人病棟では治療の必要な患者のケアを通して高齢者の特徴を学び,老人ホームでは,生活の援助を通して個別性の大切さを学んでいた。以上の結果から,2週間の老人看護学実習を通して学生は,高齢者への理解を深めていることが明らかになった。今後は学生の学びと実習目標との関連についても検討が必要である。
老人看護学実習 (the learning of nursing practice)
実習からの学び (gerontological nursing practice)
高齢者の理解 (understand ages)