Environmental Research & Control
Published by Environmental Management Center, Okayama University

<Formerly known as>
岡山大学環境管理センター報 (4号-11号) 岡山大学環境管理施設報 (1号-3号)

<Availability>
Some items are not available because of decision by its author or publisher.

複雑組成無機廃液中のセレン酸除去

田中 雅邦
藤元 教尊
井勝 久喜
高木 茂明 岡山大学環境管理センター
発行日
1997-07
抄録
セレン及びその化合物が有害物質の一項目として水質汚濁防止法施行令の一部が改正され,排水基準が設定されているが,セレンの排水処理技術に関する知見は少なく,大学内で発生するような複雑組成廃液中のセレン化合物の処理技術に関する報告はない。セレン化合物(セレン酸塩)の処理技術方法の一つに第一鉄塩あるいは水酸化第一鉄との化学的還元法がある。第一鉄塩は排水処理の中では一般的な還元剤である。中和凝集沈殿法,フェライト法はともに硫酸第一鉄による還元であり,鉄粉法は特殊鉄粉が溶解して第一鉄イオンとなり還元剤となる。大学内で発生する複雑組成無機廃液中にセレン酸塩が含まれる場合の第一鉄イオンによる化学的還元法を試みた。セレン酸塩の還元除去は,添加する第一鉄イオン量に依存性があること。同量の第一鉄イオン添加量であれば,酸性下及びアルカリ性下ともその還元除去率に有意差のないこと。特殊鉄粉は複雑組成無機廃液の廃液組成に影響され易いが,還元除去率を高くできる可能性がわかった。また,セレン酸塩が亜セレン酸塩となる還元反応が反応律速であり,亜セレン酸塩は直ちに反応系から除去されると考えられる。しかし,これら第一鉄イオンによるセレン酸塩の化学的還元除去に可能性はあるものの,10mgSe/lのセレン酸塩を排水基準以下(0.1mgSe/l)にすることはできなかった。
備考
論文
ISSN
0917-1533
NCID
AN1024789X