Bulletin of Center for Teacher Education and Development, Okayama University (ISSN 2186-1323)
Published by Center for Teacher Education and Development, Okayama University

幼児を対象とした集団における絵本の読み聞かせに関する研究動向

會澤 のはら 岡山大学大学院教育学研究科
片山 美香 岡山大学大学院教育学研究科発達支援学系 Kaken ID publons researchmap
髙橋 敏之 岡山大学大学院教育学研究科
発行日
2019-03-20
抄録
本研究では,日常の保育で頻繁に行われる,集団での絵本の読み聞かせに関する実践的な研究を概観し,充実した絵本の読み聞かせのあり方に関する知見の整理を試みた。その結果,絵本の読み聞かせ場面における幼児の言動は年齢に沿って変化し,4歳児から5歳児に至る過程において,集団という特徴が活かされるようになることが明らかになった。  3歳児では,保育者と幼児の個別の関係性が優位であったが,4歳児では徐々に幼児間の相互作用が広がり,他児の発話を繰り返したり,幼児と笑い合ったり等,他児を意識し,一緒に楽しむ共有化が進む。さらに,5歳児になると友達と共に内容の展開を楽しみながら,集団での読み聞かせのマナーを心得た態度を示しつつ,個別の言動の表出を調整する姿が見られるようになることが示された。質の高い読み聞かせにより,幼児の確かな言葉の発達を促す機会に成り得ることが確認された。
キーワード
幼児
絵本の読み聞かせ
集団
保育者
共有過程
備考
研究論文
ISSN
2186-1323
JaLCDOI