Bulletin of Center for Teacher Education and Development, Okayama University (ISSN 2186-1323)
Published by Center for Teacher Education and Development, Okayama University

特別支援学校における自傷行動を示す自閉症スペクトラム障害児へのPositive Behavior Support(PBS)に基づく実践自傷行動の低減と朝の会への参加を目指した取り組み

大西 ゆみこ 兵庫県立赤穂特別支援学校
丹治 敬之 岡山大学大学院教育学研究科
発行日
2019-03-20
抄録
 本研究は,知的障害を対象とする特別支援学校において,激しい自傷行動を示す自閉症スペクトラム障害の児童に対してPBSに基づく実践を行い,自傷行動の低減と朝の会参加行動の形成を試みた。機能アセスメントから,対象児が床や机に頭を打ち付けたり拳で頭を叩いたりする自傷行動には,教師の指示や要求から逃避する機能,不安や緊張の低減を図る機能があると仮定した。そこで,①緊張や不安なく取り組める朝の会参加行動の形成,②頭打ちや頭叩きによって得られる感覚刺激の代わりとなる刺激の用意,③頭打ちや頭叩きの予防を図る先行事象操作,④朝の会参加行動の生起を支える結果事象の操作,を基本方針として介入を行った。結果,自傷行動は減少し,朝の会の参加行動が増加した。最後に,対象児に対する本取り組みの効果と,本実践に参加した教師の意識変容を考察した。
キーワード
特別支援学校
自閉症スペクトラム障害
PBS
自傷行動
感覚機能
備考
研究論文
ISSN
2186-1323
JaLCDOI