Bulletin of Center for Teacher Education and Development, Okayama University (ISSN 2186-1323)
Published by Center for Teacher Education and Development, Okayama University

大学生・大学院生のスマートフォン依存傾向における退屈感と対人関係の関連

厚見 由佳 岡山県中央児童相談所
安藤 美華代 岡山大学大学院社会文化科学研究科 Kaken ID publons researchmap
発行日
2019-03-20
抄録
スマートフォンが普及し,問題が増加しているにもかかわらず,未だスマートフォン依存に限定して心理社会的要因を探求した研究は少ない。そこで本研究では,インターネット依存傾向形成要因に関する知見を手がかりに,スマートフォン依存傾向の構成要素と退屈感および対人関係の関連について検討した。大学生・大学院生342名を対象に,質問紙調査を行った。退屈感,対人関係要因を独立変数,スマートフォン依存傾向構成要因を媒介変数,日常生活への影響を従属変数として,共分散構造分析を行った。その結果,退屈感および対人関係を背景要因に,「スマートフォンの効用認知」「仮想的空間志向」といったメリット感を入り口とし,「高揚感」から,コントロール困難な状況,「日常生活への影響」と順に実害に至るプロセスが示された。これらの心理社会的要因を理解したうえで,スマートフォン依存予防対策を検討することが必要だと考えられた。
キーワード
スマートフォン依存
退屈感
対人関係
大学生
備考
研究論文
ISSN
2186-1323
JaLCDOI