本稿では開化期の韓国語学習書である『日韓通話捷径J (1903)におけるハングルと仮名表記か
ら、当時の韓国語の音声・音韻論的特徴を概観する。r日韓通話捷径』はソウlレ方言を反映し
ており、韓国の開化期の教科書や新聞のような文語中心の文献にはあまり現われない当時のソ
ウル方言の文語の特徴をよく示している。本書の仮名音注は音声転写の性格が強仁20世紀初
めの韓国語の音韻論的特徴をよく表しており、本稿では、本書の仮名音注を通して当時の韓国
語母音の音声的な特徴を概観する。なお、本書の語棄は現代韓国語の形成過程を明らかにする
のに役立つと考えられる。今後、明治期と日本植民地期の他の文献を総合的に考察することで
現代韓国語の形成過程をより明らかにできると期待きれる。