本稿では開化期の韓国語学習書である『日韓會話』(1894)におけるハングルと仮名表記から、
当時の韓国語の音声・音韻論的特徴や終結語尾などを概観する。『日韓會話』には、韓国の開
化期の教科書や新聞などの文語中心の文献よりも現代韓国語の特徴が多くみられる。本稿で
は、本書と『朝鮮語学独案内』や『旅行必用日韓清對話自在』との関連性を指摘し、当時の韓
国語の音声的な特徴と助詞や終結語尾の使用実体を主に概観する。本書は語彙の面においても
現代韓国語の形成過程を明らかにするのに役立つと考えられる。今後、明治期の他の韓国語学
習書を総合的に考察することで現代韓国語の形成過程をより明らかにできると期待される。