本稿は,「ユニバーサルデザイン教育カリキュラムのための基礎研究」の継続研究である。本研究は,創造性を育む過程で,児童・生徒が社会や地域と出会う美術教育を実践するための教育カリキュラムの構築を目指している。UDによる個の尊重などの視点を取り入れることで,児童・生徒の自己理解を深めるだけでなく,他者や自然環境を深く見つめることで,共感性の幅も広める。
本稿は,カリキュラムを実践するにあたり,小学校から高等学校までの成長過程で,培うべき児童・生徒の力をある程度明確にするため,「自己を深める」,「共感性」,「深く見る」,「社会参画意識」の四つの視点から,先行研究等を基に達成度指標を作成した。