岡山大学大学院教育学研究科研究集録
Published by 岡山大学大学院教育学研究科

ISSN 1883-2423

小学校教員における児童虐待に関する認識と対応

李 璟媛 岡山大学大学院教育学研究科 生活・健康スポーツ学系 Kaken ID publons researchmap
安達 由貴 福山市立宜山小学校
発行日
2015-07-28
抄録
本研究では,小学校教員の児童虐待に関する認識や対応などの現状を把握し,児童虐待防止等のために必要なことを検討することを目的とし,2014 年に岡山県内の小学校7校の協力を得て質問紙調査を行い分析した。分析の結果,ほとんどの教員は,児童虐待の早期発見努力義務及び通告義務を認知しており,被虐待児童の発見経験がある教員は7 割以上で,被虐待児童の発見時には多様な方法で対応していること,8 割以上の教員が児童虐待に関する教育を受けていることを確認できた。児童虐待関連の知識や学習経験,被虐待児童と遭遇経験がある教員は,虐待判断認識が高く,通告意思が高いこと,教員が児童虐待防止等に適切な対応をするためには,継続的な学習機会の提供により的確な知識を持つとともに,学校内外のネットワークの整備,関係者間の共通認識と情報の共有などが必要であることが明らかになった。
キーワード
児童虐待
児童虐待の認識
児童虐待通告意思
小学校教員
ISSN
1883-2423
NCID
AA12338258
NAID
JaLCDOI