本稿は,「ユニバーサルデザイン教育カリキュラムのための基礎研究(その1)―UDの
成り立ちと学校教育における課題―」(『研究集録』第157 号)の継続研究である。
本研究は,ユニバーサルデザインによる個の尊重などの視点を通した美術教育を学校教育
や地域社会の中で実践するための教育カリキュラムの構築を目指している。そして本稿を,
児童・生徒が日常生活でのすべてのデザインを見つめる視点であるユニバーサルデザインの
考え方を活用した鑑賞教育のための基礎研究として位置づける。主に他のデザイン理論との
関係や道徳教育の視点との関係から,学校教育でユニバーサルデザインを取り扱うことの意
義や妥当性について検討する。