知的障害特別支援学校小学部の「遊びの指導」の授業における児童同士のかかわりの実態
を整理し,かかわりを促す教師の具体的な支援の在り方について検討するため,実際の授業
における児童及び教師の言動を時間の流れに沿って書き出して作成したトランスクリプトを
基に整理・分析した。その結果,実態の異なる2人の対象児は共に,他の児童に対して高い
関心を示しており,その示し方は発声・発語や身体動作に比べ,注視が多かったことが確か
められた。また,対象児の他の児童に対する発信の契機を調べた結果,教師よりも他の児童
の言動が契機となった場合が多く,教師が契機であった場合については,対象児の他の児童
への発信に至る過程が4パターンに分類された。さらに,児童同士のかかわりを促す教師の
具体的な支援の在り方に関する示唆を得た。