スイス−ドイツ語圏−のギムナジウムと日本の高等学校とにおける物理基礎に焦点を当て,
後期中等教育段階における物理教育の比較考察を行った。スイスの物理基礎は,重点物理・
補充物理とは種類が異なるとともに,それらの基礎,日本の物理基礎は,物理履修前の基礎
である。両国の物理基礎教科書の目次からは,力,熱,電気の順は同じであるが,入門・原子・
エレクトロニクス・エネルギーの設定の有無で異なっていること,索引からは,スイスでは1
/4,日本では1/3程度が重複(共通)していること,スイスのみの索引では:その他>電
気>力>熱>原子・核>光>音,日本のみの索引では:その他>力>電気>熱>音>光>原子・
核と若干異なるが,電気・力・熱全体では,同じように重視されていること,を明らかにした。