「モノ」のデザインにはプロセスごと様々な課題が存在し,それらが統合されて「かたち」を表す。金沢美術工芸大学では柳宗理が重視した「手で考える」スタイルを保持した教育が行われている。一脚の椅子制作を振り返り,デザイン・プロセスとメイキング・プロセスそれぞれの課題と解決を検証,そしてそれらが統合される過程に「手」がどう機能したのかを考察した。また今回テーマとしたファーボーチェアについて,この椅子を基点とした形態的系譜地図を作成した。リ・デザインの重要性を唱えたコ-レ・クリントは何を元にこの椅
子をデザインしたのか,そしてその影響はどうあったのかを調査。北欧デザインにおけるリ・デザインの流れを俯瞰的に捉え考察した。