岡山大学大学院教育学研究科研究集録
Published by 岡山大学大学院教育学研究科

ISSN 1883-2423

中学校家庭科家族・保育学習における子どもの自己認識形成評価への心理測定尺度適用の試み(1)―教科としての目標達成を目指す家庭科評価研究(第2報)―

佐藤 園 岡山大学 Kaken ID publons researchmap
河原 浩子 岡山大学
平田 美智子 岡山大学
小橋 和子 岡山大学
原田 省吾 岡山大学
発行日
2009-02-25
抄録
本継続研究の目的は,家族・保育学習が,教科の目標である「家庭生活を営む力」の育成を通して,学習者の人格形成にどう関わるのかを心理測定尺度適用により試みることを目的とするものである。客観的に測定しようとする評価研究である。第1報で検討したように,平成20年3月末に告示された平成20年版学習指導要領に示された中学校「技術・家庭(家庭分野)」の家族・保育学習には,その目的を達成するために解決すべき課題が2点存在した。第一は,目的に相当する「学習者と子どもの関わり」を学ぶ内容が欠落していること,第二は,保育学習が学校教育の目的である学習者の「人格形成」にどのように関わるのかを客観的に評価する方法がないということである。本報では,第-の課題解決を目的として,岡山大学教育学部附属中学校で取り組まれている授業開発研究「Flour Baby Project」を踏襲し,心理測定尺度を適用し,その授業における子どもの心理変化を測る調査用尺度を11要因91項目で構成した。2008年3月に,同校第2学年200名(男子100名,女子100名)を対象にプレテストを行い,回答を得られた134名(男子54名,女子80名)の結果を,統計ソフト SPSSにより信頼性について分析した。その結果,11要因それぞれにおいてクロンバックのα係数が0.7以上もしくはそれに近い値が得られ,作成した調査用紙が中学生に適用可能なことが確認された。
キーワード
家庭科
人格形成
評価研究
保育学習
心理測定尺度
ISSN
1883-2423
NCID
AA12338258
NAID
JaLCDOI